ABS樹脂とは?

最終更新日時: 2024/04/10 16:30

ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)は、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの三つのモノマーを共重合して作られる熱可塑性プラス チックです。この樹脂は、優れた物理的特性と加工性の良さから、多岐にわたる 産業で広く使用されています。

主な特性

  • 高い耐衝撃性: ABS樹脂は、特に低温下でも優れた耐衝撃性を示します。これにより、落下などの衝撃から製品を守る用途に適しています。
  • 優れた加工性: 成形しやすく、精密な成形品を製造することが可能です。 射出成形、押し出し成形、真空成形など、様々な成形方法に対応しています。
  • 良好な寸法安定性: 温度や湿度の変化に対しても形状が安定しており、精 密部品などの用途に適しています。
  • 良い表面光沢: 自然な光沢があり、塗装なしでも美しい仕上がりとなるた め、外観を重視する製品に用いられます。

利用用途

ABS樹脂のこれらの特性から、以下のような幅広い用途で利用されています。

  • 家電製品: 冷蔵庫、洗濯機、テレビの筐体など。
  • 自動車部品: ダッシュボード、ドアハンドル、バンパーなどの内外装部品 。
  • オフィス機器: コンピュータのキーボード、プリンター、コピー機の部品 。
  • 玩具: レゴブロックなどの精密なプラスチック製玩具。
  • 日用品: スーツケース、安全ヘルメットなど。

環境への影響とリサイクル

ABS樹脂は石油由来のプラスチックであり、環境への影響を考慮して使用と廃棄が管理されています。廃棄時には焼却されることが多いですが、適切な処理を行え ば有害な物質の放出を最小限に抑えることが可能です。また、リサイクル技術の 進展により、使用済みのABS製品を粉砕し、新たな製品の原料として再利用する取り組みも進んでいます。

ABS樹脂はそのバランスの取れた物性と経済性から、現代の多くの製品に不可欠な素材となっています。今後も、技術の進歩と共に新たな用途が開発されることが 期待されます。

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